far beyond

03


2人が司令部に着くとすぐエドワードはリザ拉致されたのでアルフォンスは仕方なく1人でロイのいる司令室へと行っ
た。

コンコン

「入りたまえ。」
「失礼します。」
アルフォンスが中に入るとロイと4人の軍人がいた、彼等はリザ同様ロイの部下である。
「みなさんお久しぶりです。」
「よぉ!アル!ひさしぶりだなぁ。」
最初に返事をしたのは金髪でタバコを咥えている軍人でジャン・ハボックだった。彼は少尉の地位にいる。
「元気だったか?」
次に声をかけてきたのがハイマンス・ブレダという豪快な軍人だった、彼もハボック同様少尉の地位にいる。
「何か新たな情報はありましたか?」
糸目の彼はヴァト―・ファルマン准尉という。
「エドワード君も元気?」
最後は眼鏡をかけた優しそうな人でケイン・フュリー曹長という。
「元気ですよ。う〜ん、新たな情報は特になかったです。兄さんも元気ですよ。」
アルフォンスは掛けられた言葉に1つずつ返答していったところでロイに話かけられた。
「アルフォンス、鋼のはどうした。」
「兄さんはここに着いてすぐホークアイ中尉に連れていかれました。」
「あー、確か今日大将を連れていくんでしたよね。」
「それで、中尉今日機嫌よかったのか。」
アルフォンスの言葉にハボックとブレダが納得したようにうなずいた、どうやら、今日のリザはとても機嫌が良かったらしくみんな不思議
に思っていたらしい。そこにアルフォンスが思い出したようにロイに問い掛けた。
「あっ、大佐。今日僕どうしてたらいいんですか?」
「ああ。君には資料室の閲覧許可をやろう。1人では退屈だろうからな。」
「ありがとうございます。でも、いいんですか?僕軍人じゃいのに・・・」
「かまわん。私が許可する。」
「ありがとうございます!!」

そして、エドワードとリザが来るまでアルフォンスが旅の話を話したりしていた。途中ロイとハボックは着替える為に退室したがすぐに戻
ってきて再び話に加わった。なぜハボックまで着替えるのかというと彼はロイとエドワードとリザを車で会場まで送っていく運転手の役
割とリザと一緒に護衛という役割があるからだった。ちなみに他の3人は司令部にいることになっている。





3時間後・・・

コンコン

「入りたまえ。」
「失礼します。」
声と共に入ってきたのはリザだった。
「大佐、エド君の着替えが完了いたしました。」
「そうか、ご苦労だったな。で、鋼のはどこにいる?」
「エド君ならここにおります。・・・・・・・・・・エド君。」
そしてリザに促されてエドワードが入ってきた。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
「な、なんでシンとすんだよっ!」
エドワードの声に唖然となっていた男達の思考が戻ってきた。
「は、鋼の・・・?」(ロイ)
「に、兄さん?」(アル)
「お前本当にエドか・・・?」(ハボ)
「エドワード君綺麗ですよ」(フュ)
「・・・・・・」(ファル)
「お前マジであの豆なのか・・・?」(ブレ)
「豆って言うなっ!!俺以外に誰がいんだよっ!!中尉〜やっぱり似合わないって〜」
゛豆"という単語にすばやく反応したので男達は
((((((やっぱりエド(兄さん・鋼の)だ・・・))))))
「大丈夫よエド君。とっても似合ってるから。ですよね、みなさん。」
リザは笑顔で男達に問い掛けた。その笑顔に男達はコクコクとうなずくことしか出来なかった。
今のエドワードの格好は、白いドレスで肩のところで少し膨らんでいる半袖タイプで、続くように手袋をして機械鎧をうまく隠していた。胸
の部分は飾りでごまかしており、首にはチョーカーをつけそれとドレスを少し白っぽい布でつなげているので鎖骨のところにある傷は見
えないようになっていた。靴はドレスで見えないが、少しヒールのある靴を履いている。髪はいつもの三つ編みは解かれ、少し残して少
し上の方で団子にし、残した残りは軽く巻いて片方の肩に流している。そして顔は軽く化粧が施されていた。
「しかし、鋼の。本当に綺麗だよ。」
「な、なんだよ。いきなり。しかも、俺は男だぜ!綺麗とか言うな!」
突然ロイがそんなことを言い出したのでエドワードは返答に戸惑ってしまった。
「いや、男とか関係ないよ。本当に綺麗だ。これから、パーティなんかやめて食事に行こうか。今夜は美しい君といたい。」
「はっ?!俺を口説くんじゃねぇ!!パーティのためにこんな格好してやったんだぜ!しかも、大佐のわがままのために!!」
「大佐・・・そんんなに銃で撃たれたいですか?」
「ち、ち、中尉!!じょ、冗談だっ!!銃から手を離したまえ!!」
「これからはそのような冗談はやめるよう願います。」
「わ、わかった;」
ロイがエドワードを口説きはじめたのでリザは銃に手を掛け今にも撃ちそうな勢いだったためロイは慌ててリザに弁解しだした。その姿
は上司と部下が逆になったいた。
「あっ、大佐!もうそろそろ行かないと間に合いませんよ!」
リザがロイを叱咤しているところにハボックが慌てたような声でロイに言った。
「では、そろそろ参りましょうか、大佐。」
「そうだな。鋼の、いくつか言っておくことがある。」
「なんだよ。」
「君は今から名前はエディだ。エドワードは男の名前だからね、変える必要がある。苗字は・・・君のわかりやすいファミリーネイムでか
まわない。どうする?」
エドワードはしばらく悩んでいたが、ふと思いついたように言った。
「・・・・・・じゃあ、カーティスにするよ。」
「わかった、では君はエディ・カーティスだ。それと、君は私の錬金術の師匠の娘だからな。」
「なら、丁度いいと思うぜ。この名前も俺の錬金術の師匠のだから。」
「それは丁度いい。あと、その言葉使いも直したまえよ。」
「わかってるよ。」
「では、行こうか。」
「「はい。」」
「あっ、僕見送りに行きます。」
そして、アルフォンスも加わり5人は出かけていった。



「中尉・・・あの、お願いしたことなんですけど・・・」
ロイ、エドワード、ハボックとリザとアルフォンスの2列になって廊下を歩いているとリザはアルフォンスに小声で話し掛けられた。
「心配しないで。ちゃんとしたわよ。」
リザはアルフォンスの心境を察して3人とは少し距離を置いて話だした。
「あなたのお願いどうり1時間は休ましたわよ。ちゃんと薬を飲ましてご飯も少し食べさしたわ。ただ、1時間しか休ましてあげれなかった
けど。」
「いえ、いいんです。ありがとうございました。すみません無理言って・・・」
「いいのよ。私もそうしようと思っていたから。」
アルフォンスは最初に司令部に来たときリザにエドワードが拉致される間際、「兄さんにお昼を食べさして薬を飲ましてくれませんか?
あと、少しでいいんで寝かしてあげてください。」とお願いしていたのだった。
「ただ・・・」
「どうしたんです?中尉」
「エド君を休ましているときに熱を測ったら38.5度でね、少し心配だわ。今もきっとつらいでしょうに。」
「ええ!!38.5度もあったんですか?!?!・・・・・・本当は行かせたくないけど、兄さん頑固だから絶対行くって言う
からあえて止めませんが、中尉よろしくお願いします。」
「ええ、見ておくわ。」
そんな話をしているうちに玄関まで着いたので、アルフォンスはエドワードにこそっと話し掛けた。
「兄さん、つらくなったら我慢しないで中尉に言ってよ。」
「わかったよ。じゃあな、アル。」
「うん気をつけてね。」
そして、エドワードも車に乗り込み4人はパーティ会場へと出発した。